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AさんとBさんの症状は、“うつ状態”の方々によくみられる精神面と身体面の不調です。 また、お二人の“うつ状態”の程度は、心理検査の結果、同じ程度と判断されました。ところが、脈の 揺らぎを分析したところ、お二人の“うつ状態”に対する自律神経の反応には、違いが認められました。 では、AさんとBさんの自律神経、“うつ状態”に一体どのような反応を示されたのでしょうか。 それについて解説いたしますが、ここで今一度、自律神経の機能について簡単に触れます。 自律神経は、交感神経と副交感神経の二種類からなりますが、各々の役割は、日常生活している次 のような場面で鮮明となります。 交感神経(画像の緑色した波で、LF成分といいます):昼間活動している際の主役を演じます。例 えば、“走ったり、びっくりする、緊張したりすると、心臓がドキドキする、口の中がカラカラにな る”のは、交感神経の活動が活発化するためです。“戦闘準備”担当の神経と言われています。 副交感神経(画像の青色の波で、HF成分といいます):食事中に唾液を分泌する、消化管の働きを 高める、夜間睡眠時など心身ともにリラックスしている際、活動が活発になります。“エネルギーを 蓄える”機能をもつ神経と言われる所以です。 つまり、交感神経が“動”であるなら、副交感神経は“静”ということになります。 (画像情報の解説) |
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最近、“うつ状態”は、激増していることに間違いないのですが、その多くは、Bさんのように
明らかな心理・社会的ストレスによる心因反応、反応性うつ病によるものとされています。さらに、 最近の知見では、その中に適応障害と目される方々が多く含まれるとの記載も散見されます。 ○治療開始する場合 Aさんの第一選択剤は、もちろん抗うつ剤中心の治療になりますが、Bさんは、むしろ抗不安薬 主体の薬物療法であり、比較的短期間(10日前後)で効力を発揮するように思えます。 当院で検討中の“うつ状態”の画像情報は、その原因となる疾病を視覚的に把握する手段として、 また、治療薬の第一選択剤を決定する際に活用しています。脈の揺らぎ分析による画像情報は、 患者さんに説明した後、印刷された写真を患者さんと治療者とで共有するのが基本原則です。 |
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