Case-A
過去5年間に2回の意識障害に見舞われ総合病院に入院、何れも脳梗塞と診断されている。
当院には、その後遺症としての感覚性失語症に加えて、気分異変、行動不穏が顕在したた
め入院。身体合併症は、慢性腎不全以外に、不整脈や心疾患などの指摘を受けていない。
しかしながら、入院第24病日には、検脈時に不整を認めたため、標準12誘導心電図を記録、
その結果、心房細動(Afと略)であることが判明。この時点で、既往歴にある二度の脳梗塞は、
Afに原因した心原性脳塞栓症と推測された。Afが検出された同日には、その日内変動を精
査する目的でホルター心電図を記録。本法による不整脈分析では、24時間帯のうちAfが約
17時間持続する一過性性状であることや、病的意義が高いとされる3秒以上および2秒〜3秒
以内の心停止が各々4回、1754回検出された。かかる所見より、Aさんの不整脈は、突然死を
来しかねない発作性徐拍性Afであるものと最終診断。また、本不整脈は、ペースメーカー植え
込みの適応と判断されたため、家族の同意を得て直ちに心肺センターへ搬送している。