認知症専門の治療病棟です
一緒に暮らされている家族の方や周りの方が最初に気がつかれるのは「非日常的で馴染みのないものではなく、日頃から使い慣れた物の置き忘れや親交深い人の名前が分かっているのにスーッと頭に浮かばず口にできない」などの物忘れがあげられます。このような日頃から慣れ親しんだことが上手くできなくなる、これこそが"認知症を発病したサイン"といえます。
この「物忘れサイン」・・・・・・始めの頃はついつい「年のせい」にしがちです。でも、そうこうしているうちに「買い物がままならなくなる、手慣れた料理がぎこちなくなる、楽しみにしていた趣味などへの興味がなくなる」ようになれば単に年のせいでは済まされなくなります。このことは認知症の進行に伴い今まで何気なくやり過ごしていた日常生活が送れなくなったことを意味します。
認知症を発病された方は病状が進むに連れ「物忘れが年のせいではない、ただ事ではない」ことを自覚されます。物忘れを深刻に自覚されることで物忘れへの戸惑いや不安感が募り、ひいては「イライラして怒りっぽくなる、気持ちが落ち込んでしまう」心理状態になりがちです。
(1)いつ(When)・どこで(Where)・だれと(Who)・何を(What)からなる4つの「W」を思い起こせない記憶障害、相手の名前と顔があやふやになる失見当識、火の不始末・献立しても料理に手間がかかる・言い間違いが増えるなどの中核的症状
(2)同じことを何度も尋ねる・暴言暴力・あてもなく歩き回る徘徊などの行動的症状
(3)イライラして落ち着かない・不眠・物を盗られたと思い込むなどの心理的症状
※(2)と(3)を併せて行動心理学的症状(BPSD)と呼ばれています。当病棟は主に行動心理学的症状があることで自宅や福祉施設での生活に支障を来たすようになられた患者さんを受け入れています。担当医師が中心となり病棟スタッフが多職種協同で一人ひとりに沿ったケアを提供することで、その人らしい生活が送れるよう日々サポートしています。
活動の目的は明るい雰囲気作りを心がけながら日常生活を送る上で必要な機能の維持や向上を目指した取り組みを行っています。
学習療法 、音楽療法 、作業療法 、生活技能訓練 、レクリエーション など
生活機能訓練室
スタッフステーション、病棟玄関、病室に囲まれた明るく開放感のあるホール型訓練室
ここでは音楽療法、体操、手芸、絵画、レクリエーションなどの活動を行っています
病棟内の中庭
病棟中央部は陽光と風が吹き抜ける空間に四季を感じとれる中庭を造りました
家庭復帰訓練室
院内生活から地域(家庭内)生活へ戻る前段階として設置された家庭復帰訓練室
患者さんとご家族の方々が一緒に過ごされるのは病状を理解して頂くことに加えて家庭内日常生活能の増進を目的としています