今回は、心理・社会的ストレスにより生じる感情の変化と、自律神経との関連性につ
いて触れます。感情の変化と自律神経機能との関連は、1979年(昭和54年)、中山書
店出版の現代精神医学大系のなかで、山下格先生が記載されています。

ストレスと自律神経とを関連づけた山下分類は、理解しやすいため、いまなお心療内
科のテキストや、ネット上で好んで引用されています。

  表のように、山下格先生は、情動の性状を大まかに四つのパターンに分類され、自
律神経がどのように反応するかを示されています。表の記号のうち、
は、ストレスによ
り自律神経機能の活動が亢進(活発化)することを意味します。活発化する程度は、
+++の三段階からなります。一方、
は、逆に自律神経機能が低下(減弱化)する場
合です。

  そこで、今回は、パターン1を除く各パターンについて、自律神経の画像情報を交
えながら解説します。

パターン2〜パターン4に関する画像情報は、午後10時から翌朝6時までの連続
8時間、本来なら、安らかな眠りにつき、心身ともにリラックスして、脈が遅くなる時間帯
を分析して得られたものです。

  なお、パソコンの画面上に表示されます画像情報は、自律神経のうち、交感神経
活動
緑色副交感神経青色の波形で表示されます。

 
(画像情報に関する簡単な説明です)

@交感神経活動の指標となる成分:LF成分(図中の緑色
  A副交感神経活動の指標となる成分:HF成分(図中の青色)
  BLF/HF交感神経活動の指標とされていますLFHFとの比率、
  C総合成分:LF成分とHF成分の和を意味します。

パターン1(突然の恐怖、憤怒、愕然)
パターン2(持続する不安、緊張、怒り、興奮)
パターン3(安らぎ、平穏、休息など)
パターン4(失望、憂うつ、億劫など)
まとめ

(パターン2からパターン4につきましては、最初にパターン3をクリックした後、パタ
ーン
2、パターン4の順にクリックしていただくことをお薦めします。)

城山病院(熊本・精神科)